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1976年 325P 部数は少なそうです資料用にもいかがでしょうか。
図版1800点以上、古今東西の版画の集大成
小野忠重 おのただしげ
版画家。東京生れ。1924年頃から絵と版画を始め,本郷絵画研究所に学ぶ。プロレタリア美術展などに出品。1932年新版画集団を設立。労働者や民衆の生活を題材にした作品が有名。1941年法政大学卒。版画史の研究家としても知られ,著書に《近代日本の版画》などがある。東京都に小野忠重版画館がある。
「版画」のはじまり
明治四〇年(一九〇七) 五月に創刊する美術と文芸の月刊誌「方寸」は、もと 山本鼎と森田恒友が話しあい、石井柏亭、坂本繁二郎が加わり、やがて平福百穂 や織田一磨が参加している。一枚ものの別刷附録を添えたり、べっに絵暦も刊行 したりして、木、銅、石と材質すべてにわたって、作家自ら最終的に見まもる版 の絵が、日本ではじめて大量に世に問われたのである。 - 「方寸」誌終刊に近い一九一一年一月号で山本鼎(一八八二一一九四六)は、 自宅を事務所として「東京版画倶楽部の設立」をよびかけた。|月刊専門誌の 発行や版画展開催によって、版画の創作と評論を発表しょう――という。そして ―いますべての芸術は輸入されたり、しかるに版画の一科は、いまだほとんど 拓かれおらず、油絵と水彩画の区別を知れる公衆も、木材もしくは金属に附せら る版画なるものの存在を閑却せりと、当時のようすをありありとのこしている。
山本は「版」と「画」(絵画)とをむすびっけて、 これを、自ら手がける作例 にあてていた。たしかに「版画」はここでみっかった。しかし、このことばはもうすこし遡ることができる。
明治の後半に独立の一派をとなえた桜井暁雲からうけた木口木版技術で生計を立てながら、東京美術学校西洋画選科にかよっていた山本にとっては、自らの創作意慾をもやす絵画の一分野に、なにか新しい名称がほしかったのである。そこ で、「刀画」ということばを使い出した。
与謝野鉄幹が明治三三年(一九○○)四月に創刊した有名な文芸誌「明星」は、 この年日本に立寄った、ドイツの版画家エミール・オルリックのしごとを、まず 翌年十月号でエキスリブリスのデザイン四点で紹介する。
お好きな方、お探しの方いかがでしょうか。
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